
▲1999年の東京モーターショーに、RX-EVOLVと同時出品されたRE復権の鍵「RENESIS」。
名前の由来は、創世を意味するGENESISと、ロータリーエンジンの頭文字であるREからの造語。
ロータリーエンジンは、テリトロコイド曲線と呼ばれる楕円状のハウジングの中を三角形のローターが一回転する度に、吸入・圧縮・膨張・排気の4つの動作を三辺で同時に行える効率の良さと、レシプロエンジンのようにピストンの往復運動を回転運動に変えるのではなく、回転運動をそのまま動力源として走るので動きに無駄が無くハイパワーを引き出せる。
また、レシプロエンジンの場合は2回転に1回の爆発であるのに対し、ロータリーエンジンは1回転毎に1回爆発する。しかし、この間、ローター自体はこの3分の1しか回転していない。この辺のカラクリはモーターショーの会場やMRYで出会えるロータリーの実物大模型でも見てもらえれば分かり易いのだが、管理人の力不足もあり言葉での説明はほぼ不可能。
ローターが三角形だから、3つの辺でそれぞれ吸入・圧縮・膨張・排気を繰り返している間に1回転すると言えば、ローターが3分の1しか回転していないカラクリが少しは解けるであろうか。
歴史を遡れば1960年代、乗用車市場に参入したばかりの東洋工業(現在のマツダ)が、通産省の政策による他社との合併を間逃れる為には独自の技術が必要と判断し、それをロータリーエンジンに見出そうと開発を進めたのがきっかけで、マツダ初の4輪乗用車「R360クーペ」がデビューしてから4年後の1964年には東京モーターショーにコスモスポーツの試作車を出品していたのだから、生き残りを掛けて目覚しい技術革新があった事を伺わせる。
尚、この時、東洋工業はトヨタとの合併が想定されていたのではないかと言われているが、恐らくトヨタに東洋(TOYO)が吸収されても、TOYOTAのロゴの中にTOYOが全部残るなどと意味の分からない考えを持ったのは私だけであろうか。

▲RENESIS水素ロータリーエンジン。
水素でも走るし、ガソリンでも走る。デュアルフューエルシステム採用の新世代のRE。
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